リストアシナリオについて

今回は、以下を前提に作業を実施します。

  • 運用中の仮想マシン「test-01」が故障で電源 OFF 状態
  • 幸いなことに「test-01」は、VDP バックアップ対象
  • VDP のリストアポイントを使って「test-01_restore」という名前でリストア
  • リストア完了後、自動的に電源 ON する
  • 電源 ON 時に仮想マシンの NIC 接続も有効にする

後ほど詳しく説明しますが、VDP のリストア方式には大きく 上書きリストア (リプレース)別名でリストア 2種類があります。

上書きリストアの場合、もとの仮想マシンがリプレースされてしまうので、本番環境では 非推奨です。

今回は 別名でリストア を実施します。

また、リストア完了後に直ぐに Ping が回復することを確認するため、電源 ON 時に仮想マシンの NIC 接続オプションを 有効 にしていますが、本番環境の場合は、リストア完了後に、電源オフ + NIC を再接続しないようにすることをオススメします。 (リストア時にオプション指定できます)

Final Product やりたいこと

VDP 別名でリストア

仮想マシン「test-01」は、トラブルによって壊れている状態。 VDP のリストア機能を使って「test-01_restore」という名前で仮想マシンを復旧します。

リストアによる仮想マシン復旧

Step 1. バックアップの選択

VDP 管理画面にて リストアメニューをクリックするとバックアップ済みの仮想マシンリストが表示されます。 リストが表示されたらリストアしたい仮想マシンの名前をクリックします。

VDP リストア : リストから仮想マシン選択

Test DC - Test Cluster - Test-01 仮想マシン

そうすると以下のように リストアポイント が表示されます。

この例では、テストのために手動によるバックアップを実施したので、リストアポイントは以下のように 1つしかありませんが、実際に表示されるリストアポイントの数は、バックアップスケジュールによって異なります。

例えば、保存ポリシーが 毎日 : 2、毎週 : 1、毎月 : 0、毎年 : 0 の場合には、リストアポイントが 3つ作成されるようになります。

リストアしたいリストアポイントにチェックを入れ、リストアをクリックします。

VDP リストア : リストアポイント選択

仮想マシン「test-01」のリストアポイント

バックアップの選択 画面が表示されます。

先ほどチェックを入れたリストアポイントであることを確認し、問題なければ次へをクリックします。

VDP 選択したリストアポイントの確認

Step 2. リストアオプションの設定

リストアオプションの設定 画面が表示されたら以下の情報を入力し、次へをクリックします。

元の場所にリストアします にチェックを入れた場合 ―

種類項目名内容
オプション電源オンリストア完了後にパワーオンするか

元の場所にリストアします のチェックを外した場合 ―

種類項目名内容
必須新しい名前リストアされる仮想マシンの名前
送信先リストア先のクラスタ (例: Test DC の Test Cluster)
データストアリストア先のデータストア
オプション電源オンリストア完了後にパワーオンするか (推奨 : 電源オフ)
NICを再接続パワーオン時に NIC を接続するか (推奨 : 接続しない)
VDP リストアオプションの設定

別名でリストアの例

リストアの種類について

VDP のリストア方式には以下の 2種類があります。

・ 上書きリストア

・ 別名でリストア

上書きリストア でリストアすると、元の仮想マシンが上書き・リプレースされてしまうので、本番環境では使わないでください。 (本番環境では、別名でリストアする)

また、上書きリストア では、電源オン オプションしか選択できないようになっています。

別名でリストア でリストアすると、元の仮想マシンはそのまま残しつつ、別の名前でリストアします。 また、別名でリストア では、リストアされる仮想マシンの名前、リストア先のデータストア、電源 ON・OFF、NIC 接続 ON・OFF、を自由に選択できます。

ちなみに、電源 ON・OFF、NIC 接続 ON・OFF に関しては、OFF / OFF 推奨です。

この例では、別名でリストア を実施します。

Step 3. 設定の確認

設定の確認 画面が表示されます。

確認して特に問題なければ、終了をクリックします。

VDP リストア設定の確認

リストアが正常に開始されました。 という 情報 ダイアログが表示されたら OKをクリックします。

VDP リストア開始ダイアログ

Step 4. リストア完了待ち

そうするとリストアタスクが実行されるので、リストアが完了するまでお待ちください。

VDP 別名でリストア

リストア オプションとして「電源オン」と「NICを再接続」にチェックを入れたため、リストア完了後、自動的にパワーオンされ、Ping も回復した。

補足. リストアが完了したか確認する方法

上記のように、リストア時に色々タスクが走るのですが、今現在リストアがどこまで進んでいるか進捗率を確認することが難しいです。

そのため、リストアが完了したかどうか確認するためには、以下のようにすると良いです。

  • 仮想マシンに VDP のスナップショットが存在しないこと※ リストア中には VDP 専用のスナップショットが存在するリストアが完了すると VDP 専用のスナップショットは自動的に削除される
  • vCenter のタスク「スナップショットの削除」のステータスが「完了」になっていること※ タスクが消えてしまった場合は、直接仮想マシンのイベントログ (タスクおよびイベント タブ) を確認する
  • vCenter の「仮想マシンおよびテンプレート」インベントリにて、仮想マシンを他のフォルダにドラッグしてみる※ リストア中だと Drag & Drop できない

参考までに、以下は リストア中・リストア完了後のスナップショット状態です。

VDP リストア中のスナップショット状態

リストア中のスナップショット状態

VDP リストア完了後のスナップショット状態

リストア完了後のスナップショット状態

注意点 その1. リストアした仮想マシンに対して、バックアップジョブの再設定をお忘れなく

注意点として、リストア完了後に、特に問題なく回復した場合は 元の仮想マシンを削除することもあると思います。

例えば、

  1. 別名でリストア完了
  2. 元の仮想マシンをリネーム、または 元の仮想マシンをディスクから削除
  3. リストア完了後の仮想マシン名を元の名前に変更

このようなことをした場合、一応 名前も元の仮想マシン名になっているし、放置しておくと普通にバックアップされるだろうという考え方はよくありません

このまま放置しておくとバックアップに失敗するか、または バックアップが取れてるように見えたとしても、実際には リストアポイントのステータスが 使用不可 になり、全く使い物にならないものしか残らない状態になってしまいます。

リストアポイントのステータス : 使用不可

なので、上書きリストア / 別名でリストア 関係無しに、リストアした仮想マシンは明示的にバックアップジョブの再設定を実施してください。

ジョブ再設定の際に、エラーで怒られた場合

ジョブ再設定の際に、以下のような警告・エラーで失敗した場合は、ヘルスチェックを実行してからもう一度ジョブを再設定してください。

  • すでに登録されています
  • バックアップジョブは正常に編集されましたが、次のクライアントがジョブに追加されませんでした

ヘルスチェックを実行する必要がある場合には 以下を実施してください。 (時間かかります)

VDP 管理画面 > 構成 > 歯車 (アイコン) > ヘルスチェックを実行します をクリック。

注意点 その2. MAC アドレス 変わります

元の仮想マシンが存在する状態でリストアを実施した場合は、リストア後に、仮想マシンに新しい MAC アドレスが振られます

その際に、仮想マシンに赤いアラートマーク (仮想マシンの MAC が競合しています) が付くことがあります。

元の仮想マシンが存在する状態でリストアするとバッティングして当たり前で、その後 新しい MAC アドレスが振られるので、アラート自体は無視して構いません。

VDP リストア後、MAC アドレス競合

[例] MAC アドレス競合アラート

ただ、注意点として、MAC アドレス変更によって発生する追加作業については、環境に合わせて実施してください。

  • OS 側のネットワーク設定で明示的に MAC アドレスを指定している場合
  • ネットワーク機器側で MAC アドレスでフィルタ制御している場合

終わりに

今回はテスト用の仮想マインを使ってリストアしたため、リストア開始 ~ リストア完了 まであまり時間かからなかったのですが、普通に使っている仮想マシンであればもっと時間かかります。

ネットワーク 1G で Thin Provisioning 40GB の仮想マシンのリストアが完了するまで、約 30分くらいかかりました。

また、ネットワークが 1G か 10G かによってもリストア時間に差が出ます。 (もちろん 10G が圧倒的に速い)

とりあえず、運用中の仮想マシンを一台リストアしてみて、どれくらいかかるか所要時間を計測しておいたほうがいいかもしれません。

バックアップ管理についてはやや面倒ですが、重複排除バックアップに加え、別名リストア・上書きリストア (リプレースリストア) も出来て、VDP 6.0 からはバックアップストレージとして使える容量も大幅に増えて、しかも無料。

いざとなった時にきっと救いになると思うので、VDP を是非活用してみてください。

以上、vSphere Data Protection リストアによる仮想マシン復旧 でした