VUM で ESXi ホストのパッチ適用とアップグレードが簡単に

ESXi ホストにパッチを適用する方法には、以下の 2通りあります。

  • コマンドで適用するか
  • VUM を使って適用する

コマンドラインで ESXi ホストにパッチを適用しようとすると、まず、ダウンロードしたパッチファイルをデータストアにアップロードした上で、パッチ適用実行と確認作業などの操作を全てコマンドで実施する必要があります。

管理する ESXi ホストの台数が少なければ、コマンドラインでパッチ適用を実施するのも良いかもしれませんが、ESXi ホストの台数が多ければ多いほど全てのパッチ適用をコマンドで実施するのも少しやり難い感があります。

VUM を使うと、パッチ適用対象となる ESXi ホストのバージョンに合わせて、VMware のリポジトリから最新パッチをダウンロードし、ESXi ホストにパッチを適用するまでの一連の作業を vCenter 上で簡単に操作できるため、メンテナンス作業にかかる時間や手間を大幅に短縮することが出来ます。

VUM がサポートする主要機能は、以下の通りです。

  • 最新パッチのスキャン、及びダウンロード
  • ESXi ホストのパッチ適用
  • 仮想マシンマシンのパッチ適用
  • ESXi ハイパーバイザのアップグレード (バージョンアップ)

ここでは、上記の機能を活用するために、まずは、VUM をインストールする方法についてご紹介します。

VUM のハードウェア要件、及び前提条件

VUM のハードウェア要件は、以下の通りです。 そこまで高いスペックは求められません。

ハードウェア 要件
プロセッサ Intel または AMD の x86 プロセッサ(それぞれ 2GHz * 2Core 以上)
ネットワーク ESXi ホストと VUM 間 10/100 Mbps(出来れば 1ギガをオススメ)
メモリ Windows 版 vCenter Server の外に構築する場合 : 2GB
Windows 版 vCenter Server の中に構築する場合 : 8GB

VUM は、専用のデータベースを使います。 そのデータベースは、外部に置くのではなく、VUM と同じコンピュータ (物理サーバ、または仮想マシン) にインストールするのがベストプラクティスです。

VUM 構築について

運用中の vCenter Server の OS が Windwos Server の場合には、その中に VUM をインストールすることもできます。

しかし、vCenter も中で色んなサービスが動いているので、なるべく負荷はかけない方が良いので、リスク分散のためにも、そして、プライベート環境では、vCenter にグローバルアドレスを付けるのも危険なので、vCenter とは別に VUM 専用のマシンを用意することをオススメします。 (または、グローバル IP の代わりにプライベート側のプロキシを使う)

また、vCenter が Windows 版ではなく、アプライアンス版の vCSA であれば必然的に専用の VUM を構築することになります

vCSA 6.0 の場合 : 専用の VUM 構築が必要

vCSA 6.5 の場合 : 中に VUM がビルトインされているので、VUM を別途構築する必要はない

ちなみに、1 vCenter あたり 1 VUM あれば、その vCenter 内に存在する各クラス内の全ての ESXi ホストにパッチ適用可能です。

この例では vCenter Server とは別に専用の VUM を構築するために、Windows Server 2008 の中に VUM をインストールしていますが、2008 はもう古いので、2012 以上をオススメします。

追加で、以下を前提にしています。

  • VUM をインストールする器として Windows Server 2008 以上が用意されていること (仮想マシンで良い)
  • Windows Server のディスク容量は、120GB 以上であること
  • Windows Server にプライベート IP アドレスが割り当てられていること
  • Windows Server にグローバル IP アドレスが割り当てられていること (オプション)
  • プライベート IP は、vCenter と ESXi ホストに接続可能であること
  • プライベート IP は、名前登録されていること (例 : vum.my-company.com)
  • グローバル IP は、インターネット経由でファイルダウンロードが可能であること

グローバル IP アドレスについて

この例では、パッチダウンロード用ネットワークとしてグロバール IP を使っています。

もし、プライベート側のプロキシサーバがある場合には、VUM 初期設定時にグローバル IP の代わりに、プロキシ IP を設定することも可能なので、グローバル IP は必須ではないですが、セキュリティを考えると グローバルよりはプロキシをオススメします。

VUM ダウンロード

Step 1. 製品の選択

VUM は、Windows 版 vCenter Server の ISO イメージの中に入っているため、Windows 用の vCenter Server をダウンロードする必要があります。

まずは、my vmware へログインし、該当ライセンス配下にある VMware vCenter Server 6.0 > ダウンロードするをクリックします。

VUM 製品の選択

Step 2. 製品のダウンロード

製品のダウンロード 画面が表示されます。

ダウンロードする vCenter Server の バージョンを選択 > 今すぐダウンロード をクリックします。

また、先ほど言ったように、VUM は、Windows 版 vCenter Server の ISO イメージの中に入っているため、vCSA ではなく、Windows 版の vCenter Server をダウンロード してください。

この例では、vCenter Server 6.0.0a をダウンロードしていますが、最新バージョンがあれば、それをダウンロードしてください。

vCenter Server ダウンロード

VUM 専用のユーザアカウント作成

VUM インストールプロセスの中で、VUM が vCenter へ接続するためのユーザ情報が求められます。

そのため、次のステップへ進む前に、以下の記事を参考にし、管理者権限を持つ VUM 専用のユーザアカウントを作成してください。

アカウントの名前は、皆さんの環境に合わせて、分かりやすい名前で作成してください。

この例では、vCenter へ接続する VUM ユーザ名として VUM@vsphere.local を使っています。

VUM ISO マウント、及びインストール

Step 1. 仮想マシンに vCenter Server ISO イメージマウント

まずは、ダウンロードした ISO ファイルを仮想マシンにマウントするために、vCener 上で VUM をインストールする 仮想マシンを選択し右クリック > コンソールを開く > CD アイコン > CD/DVD ドライブ1 > ローカルディスクの ISO イメージに接続 をクリックします。

vCenter ISO イメージ接続

エクスプローラが表示されたら先ほどダウンロードした vCenter Server (Windows 版) の ISO イメージを選択 > 開く をクリックします。

vCenter ISO イメージ選択・マウント

Step 2. VUM インストーラ実行

後は、仮想マシンのコンソールの中に入って、確認してみると ISO イメージがマウントされているはずなので、それを ダブルクリック してインストーラを実行します。

VUM インストーラ実行

Step 3. VUM サーバインストール

VMware vCenter インストーラ が表示されます。

vSphere Update Manager > サーバ > 組み込みデータベースとしての Microsoft SQL Server 2012 Express の仕様にチェック > インストール をクリックします。

VUM サーバインストール

VUM が使用するデータベースについて

VUM サーバには、データベースのライセンスが要らない軽量版の Microsoft SQL Server 2012 Express が組み込まれています。

インストーラに記載があるように、Microsoft SQL Server 2012 Express は、ESXi ホスト 5台以下、及び仮想マシン 50台くらいの小規模な仮想環境向けのデータベースです。

規模の大きい環境の場合には、Express 版ではなく、事前にライセンス適用版の Microsoft SQL Server をインストールした上で、VUM 用のデータベース作成、及び DSN (データソース名) の作成・設定が必要です。

でも、実際に 50台以上動かしている商用環境でも普通に使っているので、最初は、Express 版で構築して使ってみて、必要性が出てきたら大規模環境向けの VUM を構築するのも有りかなと思います。

この例では、Microsoft SQL Server 2012 Express をインストールします。

Step 4. Microsoft SQL Server 2012 Express インストール

Microsoft SQL Server 2012 Express がインストールされるので、終わるまで待ちます。

MS SQL Server 2012 Express インストール その1
MS SQL Server 2012 Express インストール その2
MS SQL Server 2012 Express インストール その3 ここで Install ボタンを押したのかまったく覚えてないので。。ちょっと手抜きですが (ホホホっ)、もし押す必要があったら押してくださいー

完了するまで待ちます。

MS SQL Server 2012 Express インストール 完了

Step 5. インストール言語選択

VMware vSphere Update Manager – Install Shield Wizard が表示されます。

日本語 > OK をクリックします。

VUM インストール言語選択

インストールウィザードを実行するための準備作業が行われます。 別にこの画像は要らないかもしれませんが、ご参考までに。

VUM インストール開始画面
VUM インストールウィザード準備

Step 6. VMware vSphere Update Manager の Install Shield Wizard へようこそ

ようこそ 画面が表示されるので、そのまま 次へ をクリックします。

VUM Install Shield Wizard へようこそ

Step 7. 使用許諾契約書

使用許諾契約書 が表示されます。

使用許諾契約書に同意します > 次へ をクリックします。

使用許諾契約書

Step 8. サポート情報

サポート情報 が表示されます。

インストールの直後に、デフォルト ソースからアップデートをダウンロードチェックを外して次へ

サポート情報

アップデートのダウンロードは、VUM 構築が終わってから

VUM 構築が終わったら、ベンダーが提供するリポジトリを追加する必要があります。

アップデートのダウンロードは、全てのリポジトリ設定が終わってからやった方がやりやすいので、ここではチェックを外します。

Step 9. vCenter Server の情報

vCenter Server の情報 が表示されます。

VUM が vCenter へ接続するために必要な以下の vCenter 情報を入力 > 次へ をクリックします。

項目 内容
IP アドレス/名前 vCenter の FQDN or IP アドレス
HTTP ポート 80 (デフォルト)
ユーザー名 VUM@vsphere.local
パスワード VUM@vsphere.local のパスワード

VUM ユーザ情報は、事前に作成済みの管理者権限を持つユーザでなければなりません。 この例では、vCenter へ接続する VUM ユーザとして VUM@vsphere.local を設定しています。

VMware vCenter Server 接続情報

Step 10. VMware vSphere Update Manager のポート設定

VMware vSphere Update Manager のポート設定 が表示されます。

今現在、VUM をインストールしている仮想マシンに割り当てられている プライベート側の IP アドレスポート情報 を入力し、次へ をクリックします。

項目 内容
IP アドレス VUM のプライベート側の IP アドレス
SOAP ポート 8084 (デフォルト)
Web ポート 9084 (デフォルト)
SSL ポート 9087 (デフォルト)
Update Manager の接続情報

プライベート IP アドレスについて

グローバルからダウンロードしてきたパッチファイルは、ここで設定したプライベート IP アドレス経由で ESXi ホストへ配布されます。

そのため、ここで設定するプライベート側の IP アドレスは、vCenter と各 ESXi へ接続可能な IP アドレスでなければなりません。

Step 11. ターゲット フォルダ

ターゲット フォルダ が表示されます。

デフォルトのまま、次へ をクリックします。

ターゲット フォルダ

参考 : 器の容量が足りない場合の警告メッセージ

VUM をインストールする仮想マシンの容量が足りず、要件を満たしてない場合には、以下の警告メッセージが表示されます。

最低でも 120GB が必要ですが、この例では、100GB の仮想マシンにインストールしているため、以下のような警告が表示されました。 (インストールすることは出来ます)

容量不足警告メッセージ

Step 12. プログラムのインストール準備

プログラムのインストール準備 が表示されます。

インストール をクリックします。

プログラムのインストール準備

Step 13. VUM インストール完了待ち

インストールが開始されるので、完了するまで待ちます。

VUM インストール完了待ち

インストールが完了すると以下のように 完了画面 が表示されるので、終了 をクリックします。

VUM インストール完了

終わりに

これで、VUM インストールは完了です。

後は、VUM を使うために VUM Client のインストールとプラグインの有効化、パッチダウンロードとスケジュール設定などの設定作業が必要になりますが、その手順とやり方については、順次紹介して行きたいと思います。

以上、vSphere Update Manager 6.0 インストール でした。