コスト削減とパフォーマンス向上の一石二鳥

vCenter Server Appliance (以下、vCSA) は、VMware が提供するクラウド環境を管理するための製品です。

vCenter には、大きく、vCenter Server と vCenter Server Appliance の2種類があります。

vCenter Server は、Windows Server 内にインストールする必要があります。

中・大規模環境で、vCenter Server と DB を分ける場合には、Microsoft SQL Server を別途インストールする必要があるので、Windows Server と SQL Server のライセンス費用がかかります。

また、SQL Server のバージョンが古すぎる場合には、vCenter Server 6.0 へのアップグレードは、出来ないので、事前に互換性チェックをしたほうが良いと思います。

反面、vCSA は、Linux ベース (SUSE) であるため、OS のライセンス費用がかかりません。

また、DB も vPostgres が使われているため、DB のライセンス費用もかかりません。

ちなみに、DB に関しては、インストール時に組み込まれている vPostgres をそのまま使うか、別途用意した Oracle DB を使うか選択可能です。

もちろん、中・大規模環境で Oracle DB を使う場合には、ライセンス費用がかかります。

Oracle の場合には、外部モデルとして、Oracle 11g と 12c がサポートされますが、6.0 リリースで、Oracle 11g と 12c を 外部 DB として使用することは推奨されません。

vCSA は、Linux ベースなので、既存の Windows 版に比べるとサクサクと動くのではないかと少し期待しています。

コスト削減とパフォーマンス向上。 まさに、一石二鳥なので、vCSA への移行・導入を検討してみてはいかがでしょうか。

Cloud Diagram クラウド構成図

作業項目

主に、以下の順番で作業を実施し、vCSA インストール後、vSphere Web Client・vSphere Client・アプライアンスコンソールへのログインテストを実施します。

  • 製品ダウンロード、及び ISO イメージマウント
  • ブラウザ用のプラグインファイル実行
  • vCSA インストーラ実行
  • vCSA インストール
  • vSphere Web Client へログイン
  • vSphere Client へログイン
  • アプライアンスコンソールへログイン

製品ダウンロード、及び ISO イメージマウント

まずは、my vmware (ログインが必要) へ接続し、VMware vCenter Server Appliance をダウンロードします。

vCenter Server Appliance ダウンロード

ダウンロードが完了したら DAEMON Tools のような ISO イメージマウントツール(無料版の DAEMON Tools Lite)を利用し、デスクトップ上で vCSA ISO イメージファイルをマウントします。(ダブルクリックでマウントされます)

DAEMON Tools インストール時に余計なフリーソフトがバンドルされている場合があるので、その時にはフリーソフトをインストールしないようにチェックを外してください。

vCenter Server Appliance ISO マウント

ブラウザ用のプラグインファイル実行

vCSA インストールは、ウェブブラウザ上で行われるため、事前にプラグインをインストールする必要があります。

プラグインをインストールするためには、今、現在開いている IE や Firefox、Chrome などのブラウザを全部閉じる必要があので、開いているウェブブラウザを全て閉じてから以下を実施してください。

Step 1. プラグインインストーラ実行

まずは、マウントした ISO のフォルダを開いて、CD-ROM > vcsa > VMware-ClientIntergrationPlugin-6.0.0.exe を実行します。

プラグインインストーラ実行

Step 2. VMware Client Integration Plug-in 6.0.0 インストールウィザード

VMware Client Integration Plug-in 6.0.0のインストールウィザード 画面が表示されます。

次へ をクリックします。

VMware Client Integration Plug-in 6.0.0 インストールウィザード

Step 3. 使用許諾契約書

使用許諾契約書 が表示されたら 使用許諾契約書に同意します を選択し、次へ をクリックします。

使用許諾契約書

Step 4. インストール先フォルダー

次に、インストール先フォルダーを指定し、次へ をクリックします。

インストール先フォルダー

Step 5. プラグインインストール開始

プラグインインストール画面が表示されたら インストール をクリックし、プラグインインストールを開始します。

プラグインインストール開始

Step 6. インストール完了

プラグインのインストールが完了したら 完了 をクリックし、プラグインインストールを終了します。

インストール完了

これで、vCSA をインストールする準備ができました。

vCSA インストーラ実行

CD-ROM 直下にある vcsa-setup.html をダブルクリックし、実行します。

vCSA インストール時に使用するウェブブラウザについて

vcsa-setup.html を Firefox で実行したらブラウザのセキュリティ設定によって実行がブロックされ、インストール画面が表示されなかったので、vCSA インストール時に使うウェブブラウザは、Firefox よりは、IE をオススメします。

vCSA インストーラ実行

先ほどインストールしたプラグインが問題なくインストールされていれば、以下のように クライアント統合プラグイン検出 メッセージが表示されるので、検出されるまで待ちます。

クライアント統合プラグイン検出Raw Code(S)Raw Code(T)
1. vCenter Server Appliance の ISO イメージで提供されるクライアント統合プラグイン 6.0 をインストールします(ブラウザを終了する必要があります)。
2. 要求された場合、クライアント統合プラグインへのアクセスを許可します。
   クライアント統合プラグインを検出しています... 27sec
クライアント統合プラグイン検出

VMware Client Integration Plug-in 実行許可を求めるダイアログが表示されたら 許可 をクリックします。 この種類のアドレスを開く前に常に確認する については、チェックを入れてもいいし、入れなくても良いです。

VMware Client Integration Plug-in 実行許可

vCSA インストール

Step 1. インストール・アップグレード選択

ようやく vCSA インストール画面が表示され、インストールするかアップグレードするか選択する画面が表示されます。

新しくインストールするので、インストール をクリックします。

インストール・アップグレード選択

Step 2. エンドユーザー使用許諾契約書

使用許諾契約書の条項に同意します。 にチェックを入れ、次へ をクリックします。

エンドユーザー使用許諾契約書

Step 3. ターゲット サーバへの接続

以下の情報を入力し、次へ をクリックします。

項目 内容
FQDN または IP アドレス vCSA をデプロイする ESXi ホストの FQDN、または IP アドレス
ユーザー名 ESXi ホストのログインユーザ(root で良い)
パスワード ESXi ホスト root ユーザのパスワード
ターゲット サーバへの接続

Step 4. 証明書に関する警告

証明書に関する警告 が表示されたらそのまま はい をクリックします。

証明書に関する警告

Step 5. 仮想マシンのセットアップ

以下の情報を入力し、次へ をクリックします。

項目 内容
アプライアンス名 vCSA 仮想マシンの名前
OS ユーザー名 root(固定・変更不可)
OS パスワード vCSA 仮想マシン root ユーザのパスワード
OS パスワードの確認 同上
仮想マシンのセットアップ

vCSA 仮想マシンの root パスワードについて

vCSA の OS のデフォルトキーボード配列は、英語配列になっているので、念のため、パスワードに @# などの特殊文字は、なるべく設定しないように注意してください。

キーボード配列は、インストール完了後に、別途、日本語配列に変更する必要があります。

Step 6. デプロイタイプの選択

複数の vCenter Server を管理するような大規模環境の場合には、外部 Platform Services Controller を検討してください。

ちなみに、外部モデルの場合には、先に 外部 Platform Services Controller を構築する必要があります。

ここでは、vCenter Server と組み込み Platform Services Controller をインストール を選択し、次へ をクリックします。

デプロイタイプの選択

Step 7. Single Sign-on のセットアップ

新しい SSO ドメインを作成 を選択した上で、以下の情報を入力し、次へ をクリックします。

項目 内容
vCenter SSO ユーザー名 administrator(固定・変更不可)
vCenter SSO パスワード administrator ユーザのパスワード
パスワードの確認 同上
SSO ドメイン名 vsphere.local
SSO サイト名 vcsa
Single Sign-on のセットアップ

SSO の administrator ユーザパスワードについて

vCSA 5.5 の場合には、SSO ユーザのパスワードに特殊文字が含まれていると SSO インストールに失敗する問題がありました。 6.0 で試した結果、特に問題ありませんでしたが、気になる方は、先と同じように、パスワードに @# などの特殊文字は、なるべく設定しないようにしてください。 パスワードは、インストール完了後、いつでも変更できます。

ログイン ID について

ログイン ID は、アカウント名@SSO ドメイン名 です。

上記のように設定した場合、Web Client のログイン ID は、administrator@vsphere.local となります。

vCenter へログインする際に、(例えば、vCenter Server Windows 版) ID だけ入れてログインしていた方は、今までのやり方だとログインに失敗するので、ID のお尻に @vsphere.local のようにドメインを加える必要があることを認識しておく必要があります。

Step 8. アプライアンスのサイズの選択

Appliance のサイズ を選択し、次へ をクリックします。

サイズ vCPU vRAM(GB) ホスト数 仮想マシン数
最少 2 8 20 40
4 16 150 3000
8 24 300 6000
16 32 1000 10000

Appliance のサイズ に関しては、vCPU を確認して選択する必要があります。

例えば、vCSA のデプロイ先 ESX ホストのスペックが、プロセッサ ソケット 2ソケットごとのコア 6 の場合には、vCPU 12 なので、中規模 になります。 中規模 なのに 大規模 を選択すると拒否されます。

アプライアンスのサイズの選択

Step 9. データストアの選択

ディスクのプロビジョニングタイプには、以下の2種類があります。

  • Thin Provisioning
  • Thick Provisioning

例えば、データストア全体容量が 500GB、vCSA のディスク全体容量が 200GB、vCSA のディスク使用量が 50GB だった場合に、Thin と Thick Provisioning のデータストアの空き容量計算は、以下のようになります。

Thin Provisioning は、ディスク全体容量だけ確保しておいて、実際の使用量は、使った分だけ増えていくので、このときのデータストアの空き容量は、 500GB – 50GB = 450GB になります。

Thick Provisioning は、最初から vCSA のディスク全体容量がデータストア消費領域として見なされるため、このときのデータストアの空き容量は、 500GB – 200GB = 300GB になります。

vCSA をどのデータストアにデプロイするかデータストアを選択した後、シンディスクモードの有効化 にチェックを入れ、次へ をクリックします。

データストアの選択

Thick Provisiong の種類について

さらに、Thick Provisiong には、Zero 埋めするタイミングによって Lazy ZeroedEager Zeroed 2種類に分かれます。

・ Lazy Zeroed : 実際のデータ書き込み時に Zero 埋めする。

・ Eager Zeroed : 一番最初のディスク容量確保時に全て Zero 埋めする。

性能的には、Thin < Lazy Zeroed < Eager Zeroed 順に高い。 Thin よりは、Thick がパフォーマンスが良いです。

ちなみに、ディスク使用効率面においては、その逆で、Thin > Lazy Zeroed > Eager Zeroed 順に効率が良い。 Thin の場合には、使った分だけディスクが消費されるので、Thick よりは、Thin の方が効率が良いです。

Step 10. データベースの構成

vCSA が使うデータベースを選択します。 大規模環境の場合には、Oracle データベースの使用 が良いと思います。 環境に合わせて選択してください。

組み込みデータベースの使用(vPostgres) を選択し、次へ をクリックします。

データベースの構成

Step 11. ネットワーク設定

ネットワーク情報を入力した後、NTP サーバの使用 を選択し、時刻同期で使う NTP サーバを入力します。

SSH の有効化 にチェックを入れ、次へ をクリックします。

ネットワーク設定

ホストとの時刻同期について

ESXi ホストとアプライアンスの時刻を同期をするようにした場合、アプライアンスの時刻が未来時間になっていると時刻が同期されない問題があるので、ホストとの時刻同期は、オススメしません。 NTP サーバがあるならそちらを使ってください。

詳しくは、以下をご確認ください。

ESX ホストとの時刻同期は止めた方が良い

Step 12. 完了準備

今まで設定した内容が表示されるので、確認して特に問題なければ、完了 をクリックします。

完了準備

Step 13. インストール完了

インストールが完了したら 閉じる をクリックします。

インストール完了

これで、vCSA インストールが完了しました。

vSphere Web Client へログイン

後は、https://VCENTER-FQDN-or-IP/vsphere-client へ接続し、vSphere Web Client へログインして見ましょう。

Step 7. Single Sign-on のセットアップ 時に設定した vCenter SSO ユーザー名vCenter SSO パスワード を使って、Web Client へログインします。 ログイン ID のお尻に SSO ドメイン名(この例では、@vsphere.local)を付けるのを忘れずに。

vSphere Web Client へログイン

administrator ユーザでログインできました。

vSphere Web Client へログイン完了

vSphere Client へログイン

vSphere Client へログインして見ます。

ログイン ID・パスワードは、先と同じです。

vSphere Client へログイン

インストールしたばかりなので、ライセンス警告メッセージが表示されます。 とりあえず、OK をクリックします。

vSphere Client ライセンス警告

問題なく、vSphere Client へログインできました。

vSphere Client へログイン完了

アプライアンスコンソールへログイン

今度は、vCSA アプライアンスのコンソール画面へログインして見ましょう。

vCenter 上で vCSA アプライアンスを右クリックし、コンソールを開くと以下のように、vCSA コンソール画面が表示されます。

色は青色ですけど、vSphere の黄色い初期画面に似たようなデザインです。

F2 を押します。

アプライアンスコンソールへログイン

root ユーザのパスワード入力を求められるので、Step 5. 仮想マシンのセットアップ 時に設定した、vCSA の OS パスワードを入力し、Enter を押します。

アプライアンスコンソール ログインパスワード入力

問題なくコンソール画面にログインできました。

Root パスワード変更、管理ネットワーク設定・再起動など色んなオプション設定が出来るようになっています。

アプライアンスコンソールへログイン完了

Root パスワード変更について

Root パスワードは、まだ変更しないでください。

キーボード配列がまだ英語配列になっているので、Tera Term などを利用し、OS の中へ SSH 接続してからキーボード配列を日本語に変更する必要があります。

終わりに

vCenter Server の代わりに vCenter Server Appliance を使うことによって得られる利点としては、

  • MS Windows Server ライセンス不要
  • MS SQL Server ライセンス不要
  • Linux ベースなので、軽くて良い

くらいですかね。 (もっとあるかもしれませんが。。。)

Linux ベースなので、Windwos 経験しかない人は、SSH 経由で OS の中に入って何かを調べる必要があるときに少し難しく感じるかもしれませんが、普通は Web Client 上で操作するだけだと思うので、そこまではあまり気にしなくても良いかもしれません。

後は、vSphere Web Client を使ってアカウント作成、ユーザ権限追加方法、サービス再起動方法、パスワード変更方法など。 やらないといけない・覚えないといけないことがいろいろ出てくるので、まずは、Web Client 操作に慣れないといけません。

vSphere 6 の関連ドキュメントは、以下のリンクを参考にしてください。

以下の資料は、一通り目を通すと役に立ちます。

特に一番下に よく寄せられる質問 があるので、一読してみると良いです。

ちなみに、vSphere Web Client へ接続する際に使うブラウザなんですが、私が試したときには Chrome と Firefox よりは、最新バージョンの IE の方がさくさく動いて体感的に操作感が良かったです。

Firefox は、反応が遅かったり、カーソルがチカチカしたりしてうっとうしかったです。

Chrome で試したら文字がぼやけて見えたりして使い辛かったので、使わないほうが良いかもしれません。

ブラウザの相性もあるので、各ブラウザを使って一通り操作感を試して見ることをオススメします。

以上で、vCenter Server Appliance 6.0 インストール方法でした。