vCSA 6.5 へアップグレードする際の懸念点

vSphere 6.5 が発表されてから間もない頃、早速 vCSA のアップグレード検証に取り掛かり、今まで使っていた vCSA を 6.0 から 6.5 へアップグレードしました。

アップグレードに成功したとは言え、今まで通りに使えるか運用に問題はないか異常動作しないか 等、一通りアップグレード後の正常性確認を行う意味合いを込めて、操作感を試したり、 vCSA 6.5 に統合された vSphere Update Manager (VUM) を Web Client を使って、ESXi ホストにパッチを当てて見たりする等。

本当は 3ヶ月くらい様子を見る予定だったのですが、色々あって、公開がだいぶ遅れてしまいました。

アップグレードに踏み切る前の懸念点として、一番心配だったのは、既存の統計情報アカウント情報 (特に権限)カスタム定義アラートインベントリ階層 (フォルダ)仮想マシンのメモ、 その他、様々な vCenter の設定情報 がアップグレード後にもちゃんと残っているか。 でした。

結論としては、全然大丈夫だったので、そんなに心配しなくても良いと思います。

Cloud Diagram クラウド構成図

ちなみに、vCSA 6.5 の新機能、及び 特異事項 については、vCenter Server Appliance 6.5 インストール に書きましたので、ご興味あるかたは軽く一読して見てはいかがでしょうか。

また、アップグレードのベストプラクティスについては、以下をご確認ください。

vCSA 6.0 と vCSA 6.5 の仮想マシンスペック比較

以下は vCSA を 6.0 (中) から 6.5 (大) へアップグレードする前と後の スペックIP アドレスFQDN 情報です。

項目
vCSA 6.0
アップグレード前 (Source)
vCSA 6.5
アップグレード後 (Target)
FQDNvcsa.hogehoge.comvcsa.hogehoge.com
IP アドレス10.10.4.3/2410.10.4.3/24
デプロイサイズ
8 vCPU
Mem 24 GB
400 Host、4,000 VM
16 vCPU
Mem 32 GB
1,000 Host、10,000 VM
ストレージサイズ
デフォルト
425 GB
デフォルト
640 GB
VM バージョン810
Guest OSSUSE Linux Enterprise 11 (64ビット)
その他の Linux 3.x 以降 (64ビット)
※ VMware Photon
以下、その他
Update Manager
プライベート : 10.10.8.21/24
グローバル : 200.200.200.21/27
既存の vCenter に VUM が存在する場合には、マイグレーションによって、vCSA 6.5 に統合されるので、VUM 専用の IP アドレスは用意しなくて良い
一時 IP
10.10.4.20/24
vCSA 6.0 → 6.5 へデータ移行時に、一時的に使われる IP アドレス
アップグレード完了後には使われない
(詳細については、後ほど)

特に 一時 IP に関しては、標準スイッチ に属しているネットワークの IP アドレスを一つ用意してください。

ちなみに、分散スイッチ 上にあるネットワーク IP は使えないです。

一時 IP 設定画面で、ネットワークリストから一時 IP のネットワークを選ばないと行けないのですが、分散スイッチ のネットワークはそもそもリストに表示されないからです。

vCSA 6.5 アップグレードの大まかなタスク、及び 一時 IP の使用から廃止までの流れ

vCSA 6.5 のアップグレードは、ステージ 1ステージ 2 に分かれています。

また、vCSA 6.5 の新規インストールとは違って、アップグレードする際には、一時 IP が必要になります。

アップグレードとは言え、実際には vCSA 6.5 用の新しい仮想マシン (新規 器) に vCSA 6.5 がデプロイされ、その後、既存の vCenter Server のデータをエクスポートした上で、新規デプロイされた vCSA 6.5 に既存のデータがインポートされる形になります。

この時に、既存のデータをエクスポート・インポートするために使われるのが一時 IP アドレスです。

一時的に使われる IP アドレスであるため、アップグレード完了後には不要になります。

ステージ 1 / ステージ 2 の大まかな流れと 一時 IP アドレスの状態変化は、以下の通りです。

項目内容
vCSA 6.5 :
IP アドレスの状態変化
ステージ 1
vCSA 6.5 : デプロイ開始
vCSA 6.5 : Power Off 状態
vCSA 6.5 : デプロイ終了
vCSA 6.5 : Power On 状態
10.10.4.20
一時 IP が振られる
ステージ 2vCSA 6.0 : データエクスポート10.10.4.20
vCSA 6.0 : シャットダウン10.10.4.20
vCSA 6.5 : サービス開始
10.10.4.3
Source (元) の IP に切替わる
vCSA 6.5 : データインポート10.10.4.3

vCSA 6.5 ダウンロード

まずは、事前準備として、my vmware (ログインが必要) へ接続し、最新版の VMware vCenter Server Appliance 6.5 をダウンロードします。

vCSA 6.5 ISO ダウンロード

ISO マウント、及びインストーラー実行

vCenter Server のバックアップは取得済みですか

何があるか分からないので、アップグレードを開始する前に、念のため、アップグレード対象となる vCenter Server のクローンを取得しておくことをオススメします。

vCSA 6.5 の ISO ファイルのダウンロードが完了したら DAEMON Tools のような ISO イメージマウントツール (無料版の DAEMON Tools Lite) を利用し、vCSA 6.5 の ISO イメージをマウント します。

ISO マウントだけなら無料版でも十分使えます。

また、DAEMON Tools インストール時に余計なフリーソフトがバンドルされている場合があるので、その時にはフリーソフトをインストールしないようにチェックを外してください。

ISO マウント

DAEMON Tools : ダブルクリックしてマウント

次に、マウントされた ISO のフォルダを開き、CD-ROM > vcsa-ui-installer > win32 > installer.exe を実行します。

インストーラー実行

アップグレード - ステージ 1 : アプライアンスのデプロイ

いよいよアップグレードを開始します。

ステージ 1 では、主に以下の作業を実施します。

  • 概要 : ステージ 1 の開始
  • エンド ユーザー使用許諾契約書
  • ソース アプライアンスに接続
  • アプライアンスのデプロイ ターゲット
  • ターゲット アプライアンス仮想マシンの設定
  • デプロイ サイズの選択
  • データストアの選択
  • ネットワークの構成
  • ステージ 1 の設定内容の確認
  • デプロイ完了待ち

Step 1. vCSA 6.5 インストール開始

インストーラーが起動します。

vCSA 6.0 のインストーラーに比べるとかなりキレイに作られてる感じがします。

インストール時の言語が選べるようになっています。

新規インストールの場合には、難しい作業ではないので、英語のままでも構いませんが、アップグレードする際には、ステージ 2 の段階でチェックが行われ、アラート・警告が表示されるようになっています。

インストーラの言語が 日本語 になっていても、全てのアラート・警告メッセージが完全に日本語で表示されるわけではないですが、一部でも日本語で表示された方がトラブルシューティングしやすいので、インストーラの言語は 日本語 をオススメします。

右上の地球アイコン > 日本語 (Nihongo) をクリックします。

Install

そうすると以下のように、インストーラーの言語が日本語に変わります。

既存の vCenter Server Appliance をアップグレードする予定なので、アップグレード をクリックします。

インストーラのアップグレードを実行

Step 2. 概要 : ステージ 1 の開始

概要 が表示されます。

次へ をクリックします。

ステージ1 概要

Step 3. エンド ユーザー使用許諾契約書

エンド ユーザー使用許諾契約書 が表示されます。

私はエンド ユーザー使用許諾契約書にある条件に同意します にチェックを入れ、同意する をクリックします。

エンド ユーザー使用許諾契約書

Step 4. ソース アプライアンスに接続

ソース アプライアンスに接続 が表示されます。

このステップでは、アップグレード対象となるソース アプライアンスに接続するために、その詳細を指定します。 (既存の vCenter Server と その vCenter Server を管理する ESXi の認証情報)

項目設定値備考
ソースアプライアンス
アプライアンスの FQDN または IP アドレスvcsa.hogehoge.comアップグレード対象 vCSA の FQDN
アプライアンス HTTPS ポート443デフォルト
SSO ユーザー名administrator@vsphere.localadministrator 必須
SSO パスワードmyPW-hogehogevCenter administrator ユーザの SSO PW
アプライアンス (OS) root パスワードmyPW-hogehogeOS の root PW
ソース アプライアンスを管理する ESXi ホストまたは vCenter Server
ESXi ホスト名 または vCenter Server 名esx04ソース vCSA が動いている ESXi ホストの FQDN、または IP アドレス
HTTPS ポート443デフォルト
ユーザー名rootroot で良い
パスワードmyPW-hogehogeソース vCSA が動いている ESXi の root PW

上記の情報を入力 > 次へ をクリックします。

ソース アプライアンスに接続 内容確認 その1
ソース アプライアンスに接続 内容確認 その2

アプライアンスの FQDN または IP アドレスの要件

  • バージョン 5.5 または 6.0 のみ。
  • vCenter Server、vCenter SSO (5.5)、または PSC (6.0) であることが必要です。

SSO ユーザー名の要件

  • ユーザー名は「administrator」である必要があります。
  • ドメイン名のみを編集できます。

ESXi ホスト名または vCenter Server 名の要件

  • 既存の vCenter Server が動いている ESXi ホストが DRS クラスタ内にある場合は、デプロイ プロセス中に DRS によって vMotion が開始されることがあります。
  • これを回避するには、ESXi ホストを管理している vCenter Server に接続するか、自動化された DRS によって、ESXi ホストが参加しているクラスタがデプロイ中、移行されないように設定します。

補足 : DRS 無効化方法については、前回の連載をご確認ください。

証明書に関する警告 ダイアログが表示されたら はい をクリックします。

証明書に関する警告
検証中・・・

Step 5. アプライアンスのデプロイ ターゲット

アプライアンスのデプロイ ターゲット が表示されます。

このステップでは、vCSA 仮想マシンをどの ESXi ホストにデプロイするかを決めます。 そして、ターゲットとなるデプロイ先 ESXi ホストに接続するための以下のログイン情報が必要になります。

項目設定値備考
ESXi ホスト名または vCenter Server 名esx04デプロイ先 ESXi ホストの FQDN、または IP アドレス
HTTPS ポート443デフォルト
ユーザー名rootroot で良い
パスワードmyPW-hogehogeデプロイ先 ESXi の root PW

上記の情報を入力 > 次へ をクリックします。

アプライアンスのデプロイ ターゲット

ESXi ホスト名または vCenter Server 名の要件

  • 新しい vCSA 6.5 をデプロイしようとしている ESXi ホストが DRS クラスタ内にある場合は、デプロイ プロセス中に DRS によって vMotion が開始されることがあります。
  • これを回避するには、ESXi ホストを管理している vCenter Server に接続するか、自動化された DRS によって、ESXi ホストが参加しているクラスタがデプロイ中、移行されないように設定します。

補足 : DRS 無効化方法については、前回の連載をご確認ください。

ターゲットサーバ ユーザー名の要件

  • ターゲット サーバに対する管理者 (または root) 権限を持つユーザー名を入力してください
  • また、ドメインと組み合わせてユーザーを入力する場合は、 UserName@DomainName 形式で入力してください

証明書に関する警告 ダイアログが表示されたら はい をクリックします。

証明書に関する警告
検証中・・・

Step 6. ターゲット アプライアンス仮想マシンの設定

ターゲット アプライアンス仮想マシンの設定 が表示されます。

このステップでは、デプロイするアプライアンス (新しい vCSA 6.5 用の仮想マシン) の設定を指定します。

主に、新しい vCSA 6.5 の名前アプライアンスの Root パスワード を設定します。

項目設定値備考
仮想マシン名vcsa-hogehoge.com-new既存の vCSA 仮想マシン名と被らないようにすること
root パスワードmyPW-hogehogeOS の root PW
root パスワードの確認myPW-hogehogePW 確認用 (再度入力)

上記の情報を入力 > 次へ をクリックします。

ターゲット アプライアンス仮想マシンの設定

ターゲットアプライアンス 仮想マシン名の要件

仮想マシン名は次の要件を満たしている必要があります。

  • パーセント記号 (%)
  • バックスラッシュ (\)
  • スラッシュ (/) が含まれていないこと
  • 80 文字までに制限

ターゲットアプライアンス 仮想マシン名について

この例では、アップグレード前後のアプライアンス名が以下のようになっています。

  • ソース (vCSA 6.0) : vcsa.hogehoge.com
  • ターゲット (vCSA 6.5) : vcsa.hogehoge.com-new

ターゲットの仮想マシン名は、ソースと被らないように設定してください。

そして、アップグレードが完了したら以下のように名前を変更します。 (ターゲットの名前を既存の名前に変更)

  • ソース (vCSA 6.0) : vcsa.hogehoge.com → vcsa.hogehoge.com-old
  • ターゲット (vCSA 6.5) : vcsa.hogehoge.com-new → vcsa.hogehoge.com

ターゲットアプライアンス root パスワードの要件

ターゲットアプライアンス OS の root パスワードは次の要件を満たしている必要があります。

  • 8 文字以上
  • 20 文字まで
  • 大文字が 1 文字以上
  • 小文字が 1 文字以上
  • 数値が 1 文字以上
  • 特殊記号が 1 文字以上 (「!」、「(」、「@」、など)
  • 可視の下位 ASCII 文字のみ (スペースは使用できません)

vCSA の root パスワードについて

vCSA の OS のデフォルトキーボードレイアウトは、英語配列 になっています。

場合によっては、vCSA へ SSH ログイン出来ず、直接コンソールログインしないといけない状況が発生するため、アップグレード完了後に、OS のキー配列を 日本語配列 に変更することをオススメします。

(英語配列のまま、かつ root パスワードに !@ のような特殊文字が含まれていると文字入力し難いため。 ログインできたとしても、作業効率が低下するため)

一時的に特殊文字を入れたい場合には、- (ハイフン) を設定してください。 (英語配列と日本語配列共にの同じ文字が打てるため)

Step 7. デプロイ サイズの選択

デプロイ サイズの選択 が表示されます。

新規作成される vCSA 6.5 のデプロイサイズを指定します。

将来、この vCSA にどれ位の規模の仮想マシン環境を管理させるか ESXi のスペック (vCPU の数) に合わせて、デプロイサイズを決めてください。

ちなみに、アップグレードする際には、既存の vCSA (ソース) のデプロイサイズより小さいサイズは指定出来ません。 (そもそも 選択リストに表示されない)

ですが、念のため、全てのデプロイサイズを記載しておきます。

デプロイ サイズvCPU
メモリ
(GB)
ストレージ
(GB)
ホスト
(最大数)
仮想マシン
(最大数)
極小21025010100
4162901001000
8244254004000
1632640100010000
特大2448980200035000

ストレージサイズについて

特に、vCSA 6.5 では ストレージサイズを指定できるようになりました。

ここで指定したストレージサイズによって、Stats (統計情報)Events (イベント)Alarms (アラーム)Tasks (タスク) といった SEAT 領域 に割り当てられる容量が異なります。

より大きな VMDK を SEAT パーティションに割り当てる必要がある場合には、より大きいストレージサイズを指定してください。

デプロイ サイズ
ストレージ
デフォルト
(GB)
ストレージ
(GB)
ストレージ
特大
(GB)
極小2507751650
2908201700
4259251805
6409901870
特大98010301910

デプロイサイズストレージサイズ を選択し、次へ をクリックします。

デプロイ サイズの選択

Step 8. データストアの選択

データストアの選択 が表示されます。

このステップでは、vCSA のデプロイ先データストアとディスクのプロビジョニングタイプを決めます。

この例では vCSA 6.5 のデプロイサイズを にしたので、ディスクのプロビジョニングサイズは約 650GB になります。

仮想マシンの性能よりストレージの消費容量効率を優先したい場合には、シン ディスク モードの有効化 (チェック) > 次へ をクリックします。

データストアの選択

シン ディスク モードの有効化

シン プロビジョニングされたディスクは、ディスクに指定されたすべての容量を事前に割り当てません。

物理ストレージによってバッキングされたブロックへの書き込み時にブロックのみを割り当てることで容量を節約します。 (少し補足するとプロビジョニング容量は全て確保するが、実消費量は使った分しか消費されないため)

Thick Provisiong の種類について

さらに、Thick Provisiong には、Zero 埋めするタイミングによって Lazy ZeroedEager Zeroed 2種類に分かれます。

  • Lazy Zeroed : 実際のデータ書き込み時に Zero 埋めする
  • Eager Zeroed : ディスク容量確保時に全て Zero 埋めする

性能的には、Thin < Lazy Zeroed < Eager Zeroed 順に高い。 Thin よりは、Thick がパフォーマンスが良いです。

ちなみに、ディスク使用効率面においては、その逆で、Thin > Lazy Zeroed > Eager Zeroed 順に効率が良い。 Thin の場合には、使った分だけディスクが消費されるので、Thick よりは、Thin の方が効率が良いです。

シン ディスク モードの有効化 のチェックを外すと vCSA が持つ全てのディスクは Lazy Zeroed になります。

Step 9. ネットワークの構成

ネットワークの構成 が表示されます。

このステップでは、ソース アプライアンスからデータをコピー (エクスポート・インポート) する際に使われる、一時 IP アドレス を設定します。

項目設定値備考
ネットワーク10.10.4.0/24一時 IP のネットワーク
IP バージョンIPv4IPv4 | IPv6
IP 割り当て固定固定 | DHCP
一時 IP アドレス10.10.4.20データ移行時に使われる一時 IP
サブネット マスク、または プリフィックス長255.255.255.0a.b.c.d | 0~32 | 0~128
デフォルト ゲートウェイ10.10.4.1一時 IP の GW
DNS サーバ10.10.8.5複数ある場合には「,」区切りで入力
ネットワークの構成

ネットワーク

非短期分散仮想ポートグループ はサポートされていないため、ドロップダウン リストに表示されません。

補足 : これはデプロイする際によくあるパターンですが、VDX のような高機能をサポートする物理スイッチだと 標準スイッチ 以外に、分散スイッチ が使えます。

分散スイッチ のメリットの一つとしては、例えば、仮想スイッチ内にポートグループを作成する際に、標準スイッチ だとクラスタを構成する全ての ESXi ホストに同じポートグループを作成しなければならいのですが、分散スイッチ を使うことでこの作業が一回で終わります。 (一回ポートグループを作成するだけで、クラスタ内の全ての ESXi ホストに適用されるので、かなり便利)

この ネットワーク のドロップダウン リストには 標準スイッチのポートグループ しか表示されないという意味になります。

サブネットマスク、または プリフィックス長の要件

ネットワーク プリフィックスは、IPv6 ファミリの場合は 0 ~ 128 の整数、IPv4 ファミリの場合は 0 ~ 32 の整数であることが必要です。

Step 10. ステージ 1 の設定内容の確認

ステージ 1 の設定内容の確認 が表示されます。

デプロイする準備ができたので、今までの 設定に問題がないか確認 した上で、問題なければ 終了 をクリックします。

ステージ 1 の設定内容の確認 その1
ステージ 1 の設定内容の確認 その2

Step 11. デプロイ完了待ち

ターゲット vCSA 6.5 (vcsa.hogehoge.com-new) のデプロイが開始されるので、完了するまで待ちます。

デプロイ中 - アプライアンスデプロイ中
デプロイ中 - アプライアンスパワーオン中
デプロイ中 - アプライアンス仮想マシン設定中
デプロイ中 - アプライアンスネットワーク設定中

デプロイ開始から完了までの流れ

以下、参考情報です。

  • デプロイが開始されると既存の vCenter 上に、ターゲット vCSA 6.5 (vcsa.hogehoge.com-new) が作成され、デプロイが行われる
  • 80% まで来ると vcsa.hogehoge.com-new に電源が投入され、Power On 状態になる
  • 99% のところで「仮想マシン設定」と「ネットワークの設定」が行われ、この時点で初めて、一時 IP に Ping が通るようになる
デプロイ完了

デプロイが正常に完了しました

アップグレード - ステージ 2 : PSC を組み込んだ vCenter Server Appliance

続いて、ステージ 2 では、主に以下の作業を実施します。

  • 概要 : ステージ 2 の開始
  • ソースの vCenter Server への接続
  • アップグレードデータの選択
  • CEIP の設定
  • 設定の確認
  • サービス開始、及びデータ移行完了待ち

ステージ 1 : アプライアンスのデプロイ に続いて、アップグレードまで終わらせたいので、続行 をクリックします。

ステージ2へ

ストレージ 2 の再開方法

もしここで終了(閉じる) した場合には、メッセージに書いてあるように、以下の URL (VAMI 管理インターフェイス) へ接続することで、いつでも ステージ 2 のアップグレードプロセスを再開することができます。

https://<一時 IP>:5480

Step 1. 概要 : ステージ 2 の開始

ちなみに、タイトルが ステージ 2 : PSC を組み込んだ vCenter Server Appliance になっていますが、この例では、既存の環境 (アップグレード前の環境) が Platform Service Controller (PSC) が組み込まれた vCenter Server であるため、このようなタイトルになっているだけで、タイトルは 既存の環境によって変わると思います。

次へ をクリックし、ステージ 2 を開始します。

ステージ2 概要

Step 2. ソースの vCenter Server への接続

ソース vCenter Server への接続に問題がなければ、自動的に以下のように、アップグレード前チェックが進行中です というダイアログが表示され、様々な事前チェックが行われます。

何らかの原因により、チェックが行われなかったり、チェックに失敗した場合には、ステージ 1Step 4. ソース アプライアンスに接続 を参考にし、 既存の vCenter Server と その vCenter Server を管理する ESXi の認証情報 を入力してください。

アップグレード前チェック進行中

事前に vSphere Update Manager (VUM) のマイグレーションツールを実行しておいた場合には、このタイミングで以下のように VUM サーバ側でも事前チェックが行われます。

VUM マイグレーション前チェック進行中

既存の vCenter で VUM を使っている方が対象なので、VUM を使ってない方は、この画像は無視しても構いません

しばらく待つと以下のようにチェック結果が表示されます。

詳細については、前回の連載に書いたので省略しますが、赤い アラート が出た場合には、直るまで次のステップへは進めないので、必ず解決しておく必要があります

警告 に関しては、特に問題なければ無視して続行することも可能ですが、警告とは言え、FQDN・証明書関連 警告は、直しておくことをオススメします。

アップグレード前チェックの結果

Step 3. アップグレードデータの選択

アップグレードデータの選択 が表示されます。

このステップでは、既存のソース vCenter Server からコピーするデータ (エクスポートするデータ) を選択します。

選択肢としては、

  • 設定 (3.3 GB)
  • 設定、イベント、及びタスク (3.5 GB)
  • 設定、イベント、タスク、及びパフォーマンスメトリック (4.2 GB)

表示される容量は、環境 (ログの保存期間など) によって異なります。

既存のデータは、なるべく そのまま持ってきたいので、設定、イベント、タスク、及びパフォーマンスメトリック > 次へ をクリックします。
アップグレードデータの選択

Step 4. CEIP の設定

CEIP の設定 が表示されます。

ここでは、VMware カスタマ エクスペリエンス改善プログラム (CEIP) に参加する のチェックを外してますが、チェックは入れても良いし、外しても構いません。 次へ をクリックします。

CEIP の設定

Step 5. 設定の確認

設定の確認 が表示されます。

今までの設定項目が表示されるので、確認して問題なければ 終了 をクリックします。

設定の確認

シャットダウンの警告 が表示されたら OK をクリックします。

これにより、既存のソース vCenter Server がシャットダウンされ、アップグレードプロセスが開始されます。

ちなみに、OK を押した瞬間にシャットダウンが開始されるわけではありません。 既存の vCenter Server のデータ エクスポートが終わった後でシャットダウンされます。

シャットダウンの警告

クライアントのセッション 切れます

当たり前のことなんですが、ソース vCenter Server がシャットダウンされると 今現在、開いている vSphere ClientWeb Client のセッションが切れるので、驚かないように。

Step 6. サービス開始、及びデータ移行完了待ち

アップグレードが開始されるので、完了するまで待ちます。 (少し時間かかります。 約 30分位)

アップグレード開始中

主に以下のプロセスが実行されます。

  1. データをソース vCenter Server からターゲット vCenter Server にコピーします
  2. ターゲット vCenter Server を設定してサービスを開始します
  3. コピーされたデータをターゲット vCenter Server にインポートします
データをソース vCenter Server からターゲット vCenter Server にコピーします
ターゲット vCenter Server を設定してサービスを開始します
コピーされたデータをターゲット vCenter Server にインポートします

vCenter Server の通信断時間について

環境によって違うかもしれませんが、参考情報として書いておくと。

  • ① の 46% : 既存の vCenter との接続が切れる (エクスポート完了後)
  • ① の 50% : 既存の vCenter がシャットダウンされる

既存の vCenter の実 IP へ Ping 疎通が出来なくなってから およそ 30秒後に Ping が回復しました。

既存の vCenter はもうシャットダウン状態なので、Ping が回復した時点で、vCenter の IP が vCSA 6.5 に設定されたことになります。

実際に vCSA 6.5 の中身を確認してみると、実 IP (eth0)一時 IP (eth0:0) が振られていることが分かります。 (一時 IP は、アップグレード完了後に消えます)

# ifconfig | grep -A1 "^eth"
eth0      Link encap:Ethernet  HWaddr 00:0b:24:5c:8a:ca
          inet addr:10.10.4.3  Bcast:10.10.4.255  Mask:255.255.255.0
--
eth0:0    Link encap:Ethernet  HWaddr 00:0b:24:5c:8a:ca
          inet addr:10.10.4.20  Bcast:10.10.4.255  Mask:255.255.255.0

簡単に時系列。

  • 15:15:00 - vCSA 6.0 : 実 IP の Ping ダウン
  • 15:15:30 - vCSA 6.5 : 実 IP の Ping が通り始める
  • 15:40:00 - vCSA 6.5 : Upgrade 完了

Ping が回復した時点で、疎通はできるようになったものの、アップグレードが完了しているわけではないので、サービス回復という意味ではありません。

Web Client で vCSA 6.5 へ接続できたのは、アップグレードが完了した後なので、実際に vCenter が使えなかった時間としては、25分弱といったところでしょうか。

移行データ量によって、もっとかかるかもしれないので、目安としてご参考までに。

また、③ のデータインポートの後 (3番目の画像の後) で以下のような Info レベル のメッセージが表示されるかもしれません。 出てきたら 閉じる をクリックします。

Info メッセージ

Update the DHCP settings. Update the TFTP settings with the new set of tramp files from the new Auto Deploy server.

無事にアップデートが完了しました。

アップグレード完了

すると自動的に、以下のウェブページ https://vCSA-FQDN/?workflow=installer が開かれます。

始めに (vCSA 6.5 アップグレード完了後に表示されるウェブページ)

少し長くなりましたが、これで vCSA 6.0 から 6.5 へのデータ転送とアプライアンスセットアップが完了しました。

vSphere 6.5 の関連ドキュメントについては、以下をご確認ください。

また、次回の連載記事では vSphere 6.5 に新しく追加された vSphere Client (HTML5) についても軽く紹介していますので、ご興味ある方は 軽く一読して見ては如何でしょうか。

正常性確認、及び 残作業

正常性確認

以下は、アップグレード完了後に確認した内容ですが、参考までに記載します。

  • vCSA の FQDN https://FQDN/vsphere-client/?csp へ Web Client 接続できること (ダメだったら IP アドレスで)
  • 仮想マシンのコンソール画面へ接続できること (仮想マシン右クリック)
  • vCSA へ SSH 接続できること
  • インベントリ「ホスト及びクラスタ」、「仮想マシン及びテンプレート」、「データストア」、「ネットワーク」のフォルダ階層が残っていること
  • Single Sign-On のユーザリスト、グループ、権限 (ロール) が残っていること
  • 仮想マシンのパフォーマンスグラフ・メモ・カスタム属性が残っていること
  • ユーザ定義の vCenter アラーム設定が残っていること

以下は、VUM マイグレーションを実施した方が対象です。

  • ベースラインの再接続が必要
  • マイグレーション後、グローバル IP は消えてしまうので、代わりにプロキシを設定
  • 上記の設定が終わったらためしにパッチのダウンロード実施してみる
  • 試しにホスト 1台に対してパッチのスキャンをかけてみる

特に、ユーザによって定義されたベースライン自体はマイグレーションされ、残ってはいますが、ESXi ホスト、または クラスタに個別に適用したベースラインは外されるので、直接ベースラインを再適用して上げる必要があります。

また、マイグレーション前の VUM サーバで、パッチダウンロード用としてグローバル IP を使っていた場合には、マイグレーション完了後、グローバル IP は消えてしまうので、代わりにプロキシサーバを設定することをオススメします。

残作業

以下、残作業です。

  • クラスタの DRS 設定を元に戻す
  • vCSA の仮想マシン名変更
  • vCSA コンソールへ接続し、ホスト名 / IPv6 設定確認
  • マイグレーション対象 VUM 廃止
  • アップグレード対象 vCSA 廃止
  • アップグレード対象 vCSA のクローン削除

DRS については、アップグレード前にクラスタの DRS 設定を「手動」、または「一部自動化」に設定変更した場合は、その設定を元に戻します。

アップグレード完了後の、新しい vCSA 6.5 の仮想マシン名は 適宜変更します。 例えば。

  • ソース (vCSA 6.0) : vcsa.hogehoge.com → vcsa.hogehoge.com-old
  • ターゲット (vCSA 6.5) : vcsa.hogehoge.com-new → vcsa.hogehoge.com

特に、vCSA をアップデートすると既存の IPv6 設定がリセットされている可能性があるので、コンソール画面を開き、ホスト名サフィックスIPv6 設定 がアップデート前のままになっていることを確認してください。 (IPv6 に関しては、使わなければ必ず無効化)

既存の VUM をマイグレーションした場合には、マイグレーション対象 VUM の電源 OFFしばらく様子見ディスクから削除 します。

また、既存のアップグレード対象 vCSA は、既に電源 OFF 状態しばらく様子見ディスクから削除 すると良いでしょう。

アップグレードを実施する前に、バックアップとして、ソース vCSA のクローンを作成した場合には、同じように しばらく様子見ディスクから削除 します。

vCenter がトラブルったら何もできなくなるので、なるべく安全にアップグレードできるように書いたつもりですが、環境もまちまちなので、予想外の出来事が起きるかもしれないですね。

以上、vCenter Server Appliance 6.5 へのアップグレード でした。